直筆サイン資産
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金 柄秀



 コスモ石油の誇るファンタジスタ。

 いつの時代も、弱小チームを一人で引っ張る外国人選手という存在は胸を打つが、彼の存在感は一際だった。
 意外性のあるプレーに加えて、全く機能しないチームにいつもイライラを爆発させていた激情型の性格から、
当時から四日市のピクシーと呼ばれていた。
 何しろ無理な態勢からアクロバティックにゴールを狙うプレーが爽快だった。
プレースタイルはどちらかというと四日市のバッジォだったかな。
 まあ、いい所にクロスが上がってこないのだから、
撃つシュートのほとんどが無理な態勢なのは当然といえばおしまいなのだが。

 一度彼は、オーバーヘッドシュートを試みて着地に失敗し、頭を強打して救急車で運ばれたことがあるらしい。
私はその次の試合の首位・福岡ブルックス戦を見に行ったのだが、
今日はおとなしくしているのかな、と思っていたら、その試合でも孤軍奮闘。
懲りずにオーバーヘッドシュートまで撃っていた。最高に面白い、いい奴だ。

 96年の天皇杯では、自らのゴールで何と名古屋グランパスを破っている。
それは、その大会限りで活動を終えるコスモ四日市の最後の輝きだった。
そして彼は四日市の伝説の英雄となった、らしい。

 元韓国オリンピック代表。