ヴェルディ対マリノスの、いわゆるJリーグ開幕戦の抽選に外れ、
また、翌日の一般開幕戦は、用事があって行けなかった私が、やっと見に行けたのは93/05/26。
改装前の川崎球場より汚かった等々力競技場でのヴェルディ-アントラーズ戦であった。
ところがお目当てのジーコさんは衝撃のハットトリック開幕直後にあっという間に怪我してしまい、出場していなかった。
カズ・北沢・ラモスなど、スターぞろいのヴェルディは、読売色が強くてどうしても好きになれなかったため、
一瞬心のよりどころをなくしかけたのだが、しかし、わずか一試合で私をサッカーの世界に引きずり込んでくれた
スーパーヒーローが現出したのであった。それがアルシンドだった。
そんなにサッカーに精通していたわけではなかったため、その日のプレイをしっかり記憶しているわけではない。
しかし、スピード、キレ、柔らかなボールタッチで、明らかに一見さんで溢れていたへもい競技場を、
彼は一人でスタジアムに変えて見せたのである。
「あいつはただのハゲではない! スーパーハゲだ!」
等々力に感嘆の声が上がり、客はサッカーと一体になった。
ということで、背番号は7番が入っている。
翌年の正月に鹿島クラブハウスまで出かけ、アルシンドとジーコさんにサインを入れてもらった。 |